「学び」とは何か?について
今回、最近読んで出会えて良かった本ーーーー
今井むつみ先生著書の
学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)
についてダラダラ書いていこうと思います。
学びとは何か――〈探究人〉になるために (岩波新書)
Amazon.co.jpによる
詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/4004315964/ref=
cm_sw_em_r_mt_dp_BYC9M8E0D1WWB634DNTW
【読書感想】
私は仕事の立場上、日々学んでいかないと死んでしまいます。自分が関わる人たちも常に勉強に勤しんでおり、度々この「学び」について議論することがあります。
自分も常に「学ぶ」ことを大切に思っており、本質を追求していたテーマの一つでもありました。
そんな中たまたまYouTubeで著者の今井先生の存在を知り、この本を読みました。
タイトルは単純明快ー「学び」ってなんなの?っていう感じの本です。
本のサイズ・厚さ共に少なく、数時間で読める内容量で簡単・・・・と思うかもしれませんが内容は、
認知科学(言語認知発達)、言語心理学、問題解決過程教育心理学(第二言語獲得と学習)等の
科学研究をベースにした専門的内容で予備知識がないと理解するのが難しいかもしれません。
自分も脳科学や発達心理学、認知科学の本をいくつも読み漁っており、知識は多少あるものの、この本の内容を正しく理解できているか怪しいです笑
と言いつつも何度も自分の過去の経験と照らし合わせ繰り返し読んでみると「確かに!」と思わされることがたくさんありました。
「学び」という単純な言葉ですが、今井先生はより深い意味「生きた学び」について研究されていて、まだまだ研究の余地がある内容だなと思わさせられました。
【学びについて個人的に思ったこと】
世間ではよく偉い人の話を聴く、人から教えてもらう、本で知ったなど・・・
人は新しい知見を手に入れた時、「勉強になった!」「学び」になったと話す人が多いです。
しかし、この本によればそれは外部から与えられる情報を自分の記憶に貼り付けただけの行為であると。
ではなぜ、それが世間の多くの人にとっての「学び」だと思うのか?
その原因の一つは戦後から続く学校教育のシステム上の問題だと。
先生が教壇に立ち、ひたすら説明、生徒はその先生の話を聞きながら黒板の文字を移し、言われた手順・決められた手順で学習を進めていく・・・いわゆる受動的な学習時間がとても多いことだと思います。
このことから自分が定義する「学び」とは、
受動的学習の反対・・・・能動的学習
つまり「自分が自ら行動する過程で生まれる発見と課題、それを解決する過程で生まれるもの」が学びなのかなと。
与えられた情報を自分なりに解釈し、実践し、行動。
その過程で生まれる苦悩や問題、その結果で現れる情報(成功や失敗)、そして改善から得られることが学びであり、その課題を乗り越えた時に成長があると、自分は理解しました。
とはいえ、受動的な学習は良くない、間違ってるとは言いません。
学校で受動的学習方法が採用されている理由の一つとして、答えが明確にある点だと考えます。
「学問」とは過去の人類が自然界の物理現象を観察し、仮説を立て、実験、その結果で得られた失敗と改善、その情報を元に討論・議論されることによって磨き上げられ積み上げられてきた概念・技術。
そう考えると、この学習法は非常に効率的であるといえます。
これは社会人になる前に親や先輩からよく言われる話ですが、
「学生時代はある程度決まった筋道と答えがあるが社会に出ると明確な答えがない(正確には無数の手法と正解がある)」と。
さらに言うと科学技術の発展とインターネットの普及により情報が爆発的な加速度で拡大する時代に突入。新しい答えがどんどん更新される。こう考えてみると能動的学習の重要性がよく分かります。
まあ自分の頭で考えることが「学び」入口であり、能動的学習になるのかなと。
改めて「学び」について考えてみると本当に難しいですし、深いなぁと実感させられました笑
この本を読み終えた時、なぜかふと出てきた偉人の名言を最後に締め括りたいと思います。
「なぜかという問いはその答えの百倍重要である」
–アルベルト・アインシュタイン–